今、Twitterで「700万」を検索すると、「年収700万円は高いか否か」という論争が巻き起こっているワケなんですけれども、その発端はこのツイート。
でもって、このツイートで引用されている漫画が『そもそも恋は欲だらけ』なんですよ。
どうも、原作者です(笑)
いやぁ、どこでどう作品が話題になるか分かりませんね。いわゆるプチバズり状態というヤツでしょうか。「フィクションくらい景気よくやってくれ」という、決してポジティヴ寄りではない意見ではございますが、作品を話題にしていただいたこと、原作者と致しましては非常にありがたい限りです。
年収700万は高いか否か──皆様の意見ツイート、楽しく拝読させていただいております。感想と致しましては、十人十色といったところでしょうか。
「700万円でドヤれるワケない」
「20代で年収700万ってそこそこ高収入」
「700万でこんなブランド品しか買えないのか」
「700万でこんなブランド買ってたら破産」
「作者金持ってねぇんだろうな、哀れwww」
「これ書いてる人の金銭感覚めっちゃリアル」etc. etc…
まあ、金銭「感覚」というだけあって、年齢・性別・職業・生活環境・趣味嗜好等々、皆さんの置かれている環境によって、「年収700万円」というひとつの目安の捉え方が、こんなにも違ってくるんだなぁという印象です。
とても興味深い。
たとえば、同じ絵を見て「綺麗」か「綺麗じゃない」か、「上手い」か「下手」か、その辺の感覚が人によって分かれるのは、まだ理解できるじゃないですか。
絵画には、明確な判断基準というものがありませんからね。あくまでも、各人の「好み」によって判断される部類のものと言えるでしょう。
ところが、明確な数字を持っているはずの「金銭」でも、受け取り手によってここまで意見が割れるという事実は、正直、目からうろこでした。
金銭感覚という言葉の「感覚」とは、本当に「感覚」を指していたのだな、と。
いいですね、新しい気づきです。金銭感覚にも正解はないということなのでしょう。
ま、作者が金持ってねぇのは正解ですけどね(笑)
作画家さんと比べてギャラが半分以下の原作者なんて金持ってねぇですよ、悲しいかな(笑)
──それはさておき、「年収700万円は高収入か否か」って話に戻るんですけど。
この議論がプチバズッたのは今日が初めてのことなのですが、実は以前から、『そも恋』広告ツイートのリプ欄で、この手の議論は細々と交わされていたのですよ。
婚活パーティーで淑女のフリをする
— めちゃコミック@女性向け漫画紹介【公式】 (@mechacomicPRgr) 2020年6月1日
ゲス女が面白すぎます😂https://t.co/BlYoA6F1Bf
「そもそも恋は欲だらけ」1/3#女性漫画 #漫画 #試し読み #めちゃコミ #めちゃ犬 #PR pic.twitter.com/BaXmC85N2r
興味のある方は、このツイートのリツイート欄/リプ欄を見てみてくださいね。
で、やっぱり大幅に割れがちな意見を受けた、私のツイートはこちら↓↓
『そも恋』広告によく「年収700万とかショボ!!」的コメントがつきますが、今の時代、泰輔と同じ20代で年収600万円以上稼いでる人は男女合わせて全体の4%以下。年収600万が「高収入男性」と呼ばれているのですよ……漫画だからといって夢を見せない現実的な作風なもんで……(笑) pic.twitter.com/yw13ufQoMO
— 山口夢@『そも恋』18話発売中 (@yume_yamaguchi) 2020年6月14日
そう、今の時代、20代で年収600万円以上は十分に高収入だそうですよ。なんたって全体の4%以下ですから。
『そも恋』の企画段階から、ある程度のリサーチをしたうえで弾き出した泰輔の年収なんで、現実とそこまでの大幅なズレはないはず……と自負はしておりましたが、現代日本において、700万円はやっぱり高収入らしいです。
この数字と事実で、今の日本が貧しいかどうかを判断するのも皆様次第──各人の金銭感覚に委ねることに致しましょう。
また、「その程度でドヤッてんじゃねぇよ」という意見も散見されますが、これはヒロイン目線の妄想なんで、泰輔自身がドヤッているワケではないんです。……が、これは元ネタツイートの画像1枚じゃ分からない事実なんで、こういった意見が出ることも当然といったところでしょうか(笑)
そして、たとえ年収700万が地味にリアルな高収入の金額だったとしても、元ネタツイートにあるとおり、「フィクションならもっと夢を見させてくれ」と、言いたくなる気持ちも分かります。分かり過ぎる。
が、しかし、ここは企画を立てた原作者として、ハッキリと申し上げたいことがあるんですね。
確かに、「億万長者でイケメン☆☆ こんな一般人の私がハイスぺ男子と恋に落ちるなんて……!?」みたいな夢のある漫画、面白いっすよね。超シンデレラストーリー。女子の憧れ。トキメく。分かる。分かり過ぎる。でも、よくある。よくあるんです、この手の漫画。あり過ぎるから、
企画会議通らないんですよ(笑)
……残念ながら。
「他の作品と差をつけてもらわないと困るんですよね~~」と言われる未来が見える、見えるぞぅ(笑)「この漫画の売りって何なんですか??」「これじゃネットコミック市場で埋もれちゃいますねぇ」とも絶対言われる。
だからこそ、『そもそも恋は欲だらけ』は読者に夢を見せないリアルテイストでお送りしております(笑)わぁ、残酷☆☆
今作は、もともとの企画段階から、ヒロインを「年収1000万円以上が狙いだけど、ここでバッサリ捨てるには惜しいから700万円はとりあえずキープしておくか」と考えるキャラに設定しておりまして、ここにもリアルの種を撒いているってなワケなんですよ。
「理想は高いけど、現実的な妥協から始まる恋」っていうね(笑)
漫画に夢を見たい方には他の作品を読んでいただくしかないのですが(笑)、基本的にはギャグ漫画ですし、男性の皆様にも楽しんでいただける作品となっておりますので、今回の700万問題で興味を持った方々にも『そも恋』を読んでいただきたく思っております。
皆さんが漫画をご購入して下さると、金持ってねぇ原作者がちょっと潤います(笑)潤ったら、私の金銭感覚に変化が訪れるかもしれません(笑)
さて、長々と書いて参りましたが、本日の結びと致しまして。
年収700万円でここまで議論が起きるなんて、「逆にめちゃくちゃいい線ついてるってことじゃね??」と、ポジティヴシンキング中のワタクシです。担当編集者とも、「これはいいコンテンツを作れたという証拠では??」と話し合っておりました。
どんな形でも話題にしていただけて、本当に感謝しかありません。
また、いろんな方の意見を目にすることができて、マジでめちゃくちゃ勉強させていただいております。この学びが、明日以降の創作に還元されていくはずです。
うん、面白いね。創作ってやっぱり面白い。自分の書いた作品をとおして、会ったこともない人たちがいろんな考えや意見を抱き、それがちょっとした話題になるなんて、こんな仕事をしてなけりゃ、ちょっと味わえないような経験ですからね。
さ、明日からもポジティヴに原稿書いていきまっしょい。
(↓↓あ、興味のある方はほかの作品も買って私を潤わせて下さいネ:笑)