昨晩、新作の第1話を脱稿したワタクシですが、初めてお仕事させていただく企業さんなので、私がシナリオで使う用語を編集さんにお伝え致しました。
わざわざそんなことをする理由っていうのがですね、以前も書いたような気がするんですけど、漫画の原作には決まった「型」のようなものがないんですよ。
原作者が10人いれば、10とおりの書き方があると思っていただいていいのです。
映画脚本のように書く人もいれば、原作者の先生がネームを切ることもあるんですね。
私は、と言いますと、上記2パターンのあいだを取った「テキストネーム」という形を取らさせていただいております。
パッと見は映画脚本と同じ形の文章形式ですが、ページ数やコマ数を指定するなど、ほとんどネームのような指示を出すことから、「テキストネーム」。
まあ、実際に見てもらったほうが早いと思うので、現在連載中の『そもそも恋は欲だらけ』第1話の原作シナリオをちょびっと公
事情があって中途半端に2ページ目のシナリオですが、まあだいたいこんな感じになります。それを作画家の茶緒先生が演出し直すと、↓↓のような漫画本稿がパンパカパーン!!
私のシナリオでは1ページに収めているものを、作画家さんの判断で2ページに分割していただきました。
原作はあくまでも原作なので、私が書いたシナリオをベースにして、作画家さんにはなるべく好きなように演出していただく制作スタイルを取っております。
そんでもって、シナリオに登場する用語は以下のとおり。
N=ナレーション。漫画になった時、四角で囲まれた縦書きの文章。
M=モノローグ。心の声。雲みたいなふわんふわんした吹き出しで表示されるヤツ。
テロップ=ナレーションが縦書きなら、テロップは横書きの、セリフ以外の文章。
(OFF)=セリフにこのオフがついている場合、そのセリフはコマ外のキャラのもの。
(描き文字)=作画家さんに手書きで書き足して欲しいセリフやモノローグ。
……まあ、だいたいこんな感じ。
以上の5点を使いこなせると、原作者として、作画家さんや編集さんとスムーズな制作をこなしていけると思っております。たぶん。
漫画の原作は、正直ひと筋縄でいかないことが多く、大変な仕事ではありますが、私のように、「漫画家を夢見ていたけど絵が絶望的に下手だった」というような方にとっては、漫画というフィールドで物語を書ける最後のチャンスではないでしょうか。
もしも漫画原作を書いてみたいという方は、こんな私のやり方でよろしければ、どうぞ参考にしてみて下さい。