山口夢Official Blog

物書き(小説家・シナリオライター)の山口夢です。

漫画のコマ割りで迷ったらー漫画原作者による超ざっくりコマ割り勉強法―

近頃たまに「漫画のコマ割りってどうすればいいの?」と聞かれることがあります。

 

「私に聞くより、漫画家さんに聞いたほうが100倍早いぜ」と思わなくもないのですが(笑)、原作者のなかに混じると、私はかなりカッチリとコマ割りまで指定するシナリオを書くタイプです。

たとえば、こんな↓↓感じ。f:id:yumeyamaguchi:20190501225839j:plain

これは単純に、私が残りのページ数を把握したいがために取っている手法であって、漫画家さんに「必ずこうコマ割りしてくれ」という指示書じゃないのです。

もっといい演出方法があったら、好きなようにネーム(下書き)を切ってもらっちゃって構わないんですね。ストーリーが大幅変更になるのはちょっと困るけど(笑)

 

しかし、一応ページからコマから指定するなら、中途半端なことはできない。漫画家さんを混乱させてしまっては一大事なんでね。

連載を持つ身でありながら、私もまだまだ勉強中ではありますが、コマ割りを学ぶ最適な方法は、「自分の描きたいジャンルの漫画を参考にする」ことだと思っております。

 

たとえば、私の場合。

現在連載中の漫画『そもそも恋は欲だらけ』は、9割ギャグ漫画とは言いながらも、女性向け漫画の流れを汲んでいます。

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執筆中にコマ割りで困った際、自宅にある漫画を参考にするワケですが、いくら大好きでも、ジャンルの違う『ドラえもん』『よつばと!』『聖☆おにいさん』『ドリフターズ』を読んだところで、なんの解決にもなりません(笑)

大好きなんだけどね。つい夢中になって読んじゃうんだけどね。

『そも恋』で迷った時は、同じラブコメ枠として『のだめカンタービレ』を参考にすることが多いです。幸いなことに、『のだめ』は全巻揃ってるし。だいたい内容も暗記してるし。

あとは、これも珍しく全巻揃ってる『はちみつとクローバー』。さらには、少しジャンルは違うけど『ソラニン』とか。

 

そして、参考としての漫画を手に取った時、どこを見るか。

 

まずは、ただひたすら1ページにおけるコマの数をカウントします。平均的に1ページ5コマで割るとちょうどいいのですが、たとえば「7コマで割ると、1コマがどれだけ小さくなってしまうのか」等、見映えを確認してみたり。

ケンカのシーンで迷ったら、参考にする作品の似たようなシーンを探し出し、どのような演出をしているのか見比べてみたり。

 

また、これは原作者独特の勉強法というか、コマ割りのやり方なんですが、相棒である作画の先生がやりやすい方法になるべく寄せていく、というものがあります。

たとえば、『そも恋』なら茶緒先生に、その他の作品ならその他の先生のやり方に近づけよう、という気持ちはある。(※実際に近づいているかどうか、聞いたことがないのでよく分かってはいない:笑)

コンビを組むことが決まったら、その先生の代表作を購入させていただいて、まずはやっぱりコマを数えるところから始めます。

それから、ぼんやり感じる程度でも構わないので「ああ、こういう構図が得意なのかな??」とか「このシーンは楽しんで描いているみたいだな」とか、所詮は絵の素人である私の憶測でしかありませんが、絵から得られる印象を大事にしていく。

 

『そも恋』の原作を書きながら、何度も『そも恋』の過去回を読み返し、「このシーン、茶緒先生ならこんな感じで演出されるかもしれない(※ハズれることも多々ある)」と予想して、仮のコマ割りをさせていただいています。

 

原作者という生き物は、作画の先生方がいてくれないと生きていけない悲しき存在なので(※他の原作者さんに怒られるなぁ:笑)、作業量も格段に多い作画の先生方には、なるべく気持ちよくお仕事をしていただくというのが、私のモットーです。

まあ、これも作画の皆さんに直接聞いたことはないんで、気持ちよく仕事して下さっているのか、はなはだ疑問ではありますが(笑)

ワタクシ個人と致しましては、「あれ?? ヒモかな??」ってくらい尽くしていきたい所存。一流のヒモに、私はなりたい。

 

……まあ、尽くしてばかりじゃいい作品はできないんで、意見を言うべき時はしっかりと言うし、なんといっても、漫画は読者さんありきのものですから。

読者さんに面白いと思ってもらえる最良の漫画を、作画と原作者が切磋琢磨して制作しております。ヒモもヒモなりに頑張ってるよ(笑)

 

つまり、何が言いたかったかというと、漫画のコマ割りを勉強したいなら、「自分の描きたい漫画に近い作品を参考にするといいよ」、そうじゃなきゃ「私に聞くより、漫画家さんに聞いたほうが100倍早いぜ」──制作の現場からは以上です(笑)

 

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