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物書き(小説家・シナリオライター)の山口夢です。

みんな大好きお金の話―漫画原作者とギャランティーについて―

みんなお金の話大好きだよね、お金の話した時のアクセス数の伸びが異様だったよ。

blog.yumeyamaguchi.com

『そもそも恋は欲だらけ』っていうか、そもそも人間が欲だらけっていうか。

(※そしてナチュラルに挟まれる漫画の宣伝)

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(みんな読んでね!! 面白いよ!!)

 

……ってなワケで、今日は漫画原作者とお金の話について簡単に書きたいと思います。各方面から怒られない程度に。

 

まず、漫画原作者が貰えるお金には2種類あります。

それが、原稿料印税です。

売れている作家さんや漫画家さんが「印税で大儲けしてるんでしょ~~~」と言われている光景をよく目にしますが(※私は言われたことない)、我々は、印税の前に原稿料というものをいただいておるのです。

 

原稿料っていうのは、文字通り書いた原稿分に相当するギャランティのこと。

 

ここでいう「書いた原稿分」とは、

たとえばアプリゲームなんかの場合、「1文字=〇円」とか、提出したデータ「1キロバイト=〇円」等、シナリオベースで計算されることが主ですが、

漫画の場合は、「漫画の」完成原稿に対し、「1ページ=〇円」で支払われます。

 

仮に私が30ページ分のシナリオを提出したとしても、漫画家さんの演出次第によって、(多少オーバーにいうと)完成した漫画が20ページのこともあれば、40ページになることもある。

そうなると、私に支払われる原稿料は「30ページ×〇円」ではなく、「20ページ×〇円」あるいは「40ページ×〇円」となるのです。すべては漫画家さんの演出次第。

 

そして、この「1ページ=〇円」に相当する部分は、各出版社や編集部で基本の金額がだいたい決まっており、

「〇円」を漫画家と原作者で分ける場合と、

「〇円」を漫画家さんが総取りして、原作者の原稿料はまた別に支払われる場合と、だいたい2パターンに分かれるようです。

基本の金額は出版社でもかなりバラつきがあるし、もちろん、漫画家さんや原作者のネームバリューによっては大幅にアップするのでしょう。(※アップしたことないんで知らんけど……)

また、どちらの場合においても、原作者の原稿料は、だいたい漫画家さんの半分以下。たまに4分の1、みたいなことも。

 

原作者の取り分少なくね!?

……と、思われるかもしれませんが、実際に漫画家さんとやり取りして、その作業量を見るにつけ、「私なんぞ半分以下で結構です……」という気分になってきます。

それくらい、漫画家さんはやることが多い。もう尊敬しかない。ごめんな、文字しか書かないで……。

 

ちなみに、この原稿料なるもの、「漫画の完成原稿次第で金額が変動する」代物のため、当然、漫画家さんが脱稿しない限り原作者にもお金が入ってくることはありません。

たとえば、漫画家さんがぶっ倒れて納品ができなかった場合、その翌月の私の収入も、自動的に0になります(笑)私は超健康体でシナリオを脱稿できていたとしても、残念ながら0円です。

反対に、私が体調を崩して脱稿できなかった場合でも、漫画家さんが健康体できちんと納品してくれたら、働かなくても原稿料が入ります。

つまりは、持ちつ持たれつってこと。チーム全員健康で頑張ろうねって話ですね。

 

次に印税っていうのは、皆様ご存知、売れたら売れた分だけ入るお金です。

 

紙媒体であれば、最初に刷った分──仮に初版5000部、1冊400円としたら、「5000部×400円」のうち、出版社や諸々、関係各所の取り分を差し引いて、残った金額を、漫画家と原作者で分け合います。

この時も、漫画家と原作者の取り分の割合は、原稿料と同じくらい。

やはり少ないと思われるかもしれませんが、漫画家さんの作業量はヤバいので構わんというスタンスです。

この5000部が完売する勢いで売れたら、いわゆる「重版」というヤツで、刷ったら刷った分だけ印税が入ります。やったね、夢のようだ。

また、全然売れなくてまるまる5000部残っちゃっても、「初版分の印税を返せ!!」と出版社から迫られることはなく(笑)、いくばくかの印税と、「全然売れなかった……」という虚しさを手に入れることができます。

 

ま、実際は1冊も売れないような本を、出版社がゴーサインを出して発売することはあり得ないんですが(笑)

 

ちなみに、電子コミックの場合は、初版や2刷3刷という概念がないため、本当に売れた分だけいただけるシステムです。

 

あのね、印税の何がいいかって、これは友達の編集者が言っていたのですが、「印税は未来への保険」なんですよ。

電子コミックなんかは特に、たとえ連載が終わったとしても、売れたら売れた分だけ入ってきますから。

いつ、何がキッカケで売れるかなんて分からないし、10年後に『そも恋』の大ブームが起きて、いきなり億万長者になる可能性もなくはないのです。

10年後──私がシナリオライターを辞めていても、よしんば死んでいたとしても、莫大な印税が家族に入る、かもしれない。

ね、夢があるでしょ??

 

正直、大ブームが来るなら今来て欲しいところだけどね!!!(笑)

 

……以上、大変簡単ではありますし、もしかしたら間違っている点もあるのかもしれないけど、漫画原作者とお金のお話でした。めでたしめでたし(?)

 

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毎日恒例の宣伝を挟みまして。

 

ギャラに関係して、ひとつだけ、こっそり不満があるとすれば、確かに原作者は文字しか書いてないんだけど、キャラ設定や世界観、その他諸々の事前準備において、お金が1銭も発生しないってこと。

準備期間が半年だろうが、1年だろうが2年だろうが、そこの手間はノーカウントで、書いた原稿分しかギャラが発生しないのは少し寂しい。

 

ま、考えようによっては、丁寧に作り込んで漫画を爆発的にヒットさせ、印税で事前準備分を回収しろって話なのかもしれないけど。

丁寧に作り込んでも、売れるとは限らないからねぇ~~~~(笑)こればっかりは、マジで売ってみないと分かんないから。

 

漫画、っていうかエンタメって、かなりギャンブルです。毎日が、人生賭けた大博打。

道理で私は競馬やパチンコにハマらなかったはずだ。

日々の生活のほうが、よっぽど夢があってスリリングだよ、馬鹿野郎め。

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今週のお題「好きな漫画」