一昨日、友人の結婚式があったのですが、大ポカを何重にも塗り重ねまして、あやうくご祝儀も持参できず、お式にも間に合わないという超危機的状況に陥りました。その経緯をお伝えしようと思うのですが、結論から言いますと、
明日やろうは馬鹿野郎
……のひと言に尽きます。
33歳になってわずか1週間──自分にほとほと嫌気がさしました。
ことの発端はお式の前日、先週の金曜日までさかのぼります。
その日も外せない用事があった私は、ご祝儀用のお金を下ろしそびれてしまいました。いろいろと調べた結果、ATMコーナーの両替機を使うとピン札が手に入りやすいということで、式当日に現金を引き出し、両替機でピン札に換えようという綿密(?)な計画が完成。
日曜日が〆切ということもあり、諸々の準備も当日頼み。
招待状には披露宴の開始時刻が大きく「4時半」と書いてあったので、朝ちゃんと起きたら余裕で準備できるであろうと、それこそ余裕をぶっこいていたのでございます。
そして、結婚式当日──
……寝坊すると思った?? ところがどっこい、しなかったんですよ。
ちゃんと目覚ましの音とともに起き、さっそく準備を開始。
式場と近いこともあって、ヘアメイクは行きつけの美容室を予約済み。土曜は混み合っていて空き時間がほとんどなく、ちょいと早めの13時半から髪を整えてもらって、4時近くまでカフェで読書をするなりなんなり的な、またしても33歳っぽい余裕をかましてやろうと思っておりました。
ドレスに袖を通し、化粧をほどこして、パーティー用のなんにも入らねぇようなバッグに小さな財布とハンカチを収納し、その他の荷物は見映えのよいショップの紙袋にまとめてIN。
美容室の予約にも余裕で間に合う時間に家を出ました。
ここで、みずからを超絶危機的状況に追い込んだ大きな要因がひとつ。
それは、ご祝儀用の現金を下ろすタイミングに、なかなか巡り合えなかったこと。
①近所にある郵便局のATMが土曜日は12時半で閉まっていた(※着いたのはその3分後)
②最寄り駅にあるATMに長蛇の列ができていて、先頭でATMを操作する若いお兄さんが、まったく動きそうになくて諦めた
……以上の2点により、私は美容室の近くにある銀行またはコンビニで現金を下ろし、その後、両替機でピン札に換える計画へシフトすることに相成りました。
さてさて、電車に乗り降りし、美容院までの通い慣れた道すがら、コンビニに入ろうとした瞬間にはたと気づく。
「あれ?? 私キャッシュカード持ってなくね??」
はい、やらかしましたね!!! 皆さん、8行前に戻ってみてください。
「パーティー用のなんにも入らねぇようなバッグに小さな財布とハンカチを収納し」──そうなんです、結婚式に参列する際の女子は、使い勝手の悪いパーティーバッグに合わせて、財布も小銭入ればりに小せぇものを使うんですよ!!!
手持ちの現金(1万円弱と少々の小銭)はいつもの長財布から移し替えたけど、カードのことを忘れてたんですね!!!! やっちまった!!!!
これがまた、キャッシュカードの存在を思い出す機会は10回くらいあったんですよ。
準備してる段階で、美容室の会員カードをバッグに入れた時。(※美容室のカードは逆に不要だった:笑)
近所の郵便局・最寄り駅のATMに並んでいる時。
駅へ向かう途中、「あ、暇潰しの文庫忘れた」とか「あ、ヘアメイク代カードで払おうと思ったのに、クレジットカード忘れた」と気づいた時。
クレジットカードのことは思い出せたのに、キャッシュカードまで考えが及ばないポンコツぶり。
……しかし、美容室の手前まで来て今さら引き返すワケにも行かず、とにかく髪をセットしてもらうことに。
アイロンで毛先を巻き巻きしてもらっているあいだ、クレジットカードのアプリさえスマホにインストールしていれば、セブン銀行で現金を手に入れられることが発覚。
不幸中の幸いでクレジットカードの情報はスマホに記録していたため、近くのセブンでどうやら無事現金を下ろせそうだとホッとしたのも束の間──セブン銀行を利用するために必要な操作を先に済ませていたところ、
「ただいまメンテナンス中です」
そのあとに続く「クレジットカードをご利用ください」という絶望的な一文に、「だから、そのカードがねぇんだよぉぉぉ!」と、美容室にて抑え気味に絶叫する33歳。
以前、iPhoneが壊れた時にPCからアップルストアの予約を試みた際、「iPhoneからご予約下さい」の一文が出た時と同じもどかしさ、苛立たしさ。
財布を丸ごと盗まれた友人について行って、郵便局の窓口でお金を下ろそうとした時の「身分証を提示してください」「全部盗まれたって言ってるじゃないですか!」と叫んだ彼の口惜しさが今なら分かる。
閑話休題。
「まあ、お式までまだ余裕あるし、面倒くさいけど1回自宅に帰りますわ」なんて、担当の美容師さんに話していた矢先、ピロリロリン♪♪ とLINEが鳴る。
見ると、一緒に式へ参列する友人から「夢ちゃん、もう会場にいる~~~??」というのんきな連絡。
えっ?? 開始4時半だよね?? まだ2時だけど?? むしろ、これから1回自宅に帰ろうとしてますけど????
美容師さんに「招待状確認したほうがいいですよ!」と促され、紙袋にINしておいた封筒ごと取り出し、招待状を開くと、でっかく書いてある開始時刻はやっぱり「4時半」。
ところが、封筒のなかを探ってみると、本に挟むしおりの半分ほどの幅をした、うっす~い紙が1枚はらり……そこには、米粒ほどの小さな文字で「式は3時からとなります。2時10分にはお集りください」──……
何そのトラップ。(※「4時半」は披露宴開始時刻でした)
すでに2時である。ご祝儀用の金もねぇ。なんなら書いてなかったけど、ストッキングも買い忘れて素足の状態。ひどい。救いようがない。
そこで救世主として現れたのは、髪をセットするあいだ、焦る私の一部始終を見ていた顔なじみの美容師さん。
「現金は私が立て替えますから、タクシーで会場へ向かってください!!」
客として行って、ヘアセット代約5000円を支払い、ご祝儀代の3万円を借りるという意味の分からなさたるや。しかし女神。もう一生担当スタイリストさんを変えない御恩が爆誕しました。
何度も謝罪とお礼を述べ、タクシーに乗車。
「なるべく急いでいただいてもいいですか!?」という私のお願いを聞いてくれたドライバーさんも神。これまた毎回必ずあの人のタクシーに乗りたいところだけど、名前を控えている余裕がなかった。
もう本当に余裕がない。33歳っぽい余裕とか言ってた自分をぶん殴りたい。
かっ飛ぶタクシーで会場に到着したのが2時20分。
集合時刻の2時10分は早めに設定されたもので、だいたい2時半に全員集合していれば無問題とのこと。LINEを送ってくれた友人とも無事合流し、式の頭から何食わぬ顔をして参列することができました。
(※ただし、ストッキングは買い忘れた)
この奇跡ともいえる参列には、いくつもの不幸中の幸いがあって、
①美容室の予約が埋まっていて、13時半に式場の近場にいられたこと
②行きつけの美容室が式場の近くで、ヘアメイクがいつもの美容師さんだったこと
③美容師さんが下したお金が、ピン札と見まごうばかりの綺麗なものだったこと
④ロングドレスだったため、素足がバレにくかったこと
私の人生、結構こういうことがあって、仕事でもプライベートでも「もうアカン」というピンチに陥った時に限って、いくつかの奇跡が起こり、結果として事なきを得るんですよ。
どうしたって必ず1回は追い込まれるんだけど(※それはそれで「なんでだよ!」と不満ではある)、なんだかんだ33年間も生きてこられているのは、最後の最後には優しい神様が手を差し伸べてくれているんです。
……とはいえ、いつまでも瀬戸際の運頼みで生きるワケにもいかず、「仏の顔も三度まで」とはよく言ったもんで、神様にもそのうち愛想をつかされると思われ、そうならないためにはとにもかくにも、
明日やろうは馬鹿野郎。
誰が言ったか知らないが、このひと言に尽きるね、ほんと。
毎日恒例の宣伝を挟みまして。
昨日は〆切だったため、本日、お礼&お詫びのお菓子持参で美容師さんに借りたお金を返済しに行ってきました。
「ちゃんと間に合ったんですね、よかった~~~☆☆」
……と、まったく気にする素振りを見せず、いつもと変わらぬ眩しい笑顔で応対してくださった美容師さんを、思わず抱き締めそうになりました(笑)
いつも私を土壇場で助けてくれる優しい神様が、人間の姿で下界に降りてきたのが、あの美容師さんじゃないかな。信仰したい。
(※あ、直前までのトラブルはともかく、お式はとっても素敵でした)