山口夢Official Blog

物書き(小説家・シナリオライター)の山口夢です。

「かえって〇〇」は人間と物語を面白くする―川端康成『雪国』―

やっと読み終わりました、川端康成著『雪国』。

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お酒飲んでカーッと寝ちゃったり、掃除疲れでカーッと寝ちゃったり、基本カーッと寝てばっかりで、まったく読み進みませんでした。

健康優良児~~~っ!!(笑)

しかし、読み始めてから2週間近く経ち、さすがにそろそろ読了せにゃいかんと思いまして、昨晩は寝不足上等の勢いでラストスパートをかけました。

そうですね、案の定寝不足です(笑)

 

それはさておき。

いやもう、最初から最後まで美しい文章のオンパレードで、ため息の連続ですよ。

 

でも、あれですね、序盤からうすうす気づいてたんですけど、『雪国』では「かえって〇〇」という表現が多様されていますね。

たとえば、

遙かの山の空はまだ夕焼の名残の色がほのかだったから、窓ガラス越しに見る風景は遠くの方までものの形が消えてはいなかった。しかし色はもう失われてしまっていて、どこまで行っても平凡な野山の姿がなおさら平凡に見え、なにものも際立って注意を惹きようがないゆえに、かえってなにかぼうっと大きい感情の流れであった。

── 川端康成『雪国』

 

温泉宿で女按摩から芸者の身の上を聞くとは、あまりに月並で、かえって思いがけないことであったが、駒子がいいなずけのために芸者に出たというのも、あまりに月並な筋書で、島村は素直にのみこめぬ心地であった。

──川端康成『雪国』 

……などなど、これは冒頭のほうから抜粋したんですけど、このあとも「かえって〇〇」という表現が多く使われているんですね??

 

この「かえって〇〇」、よくよく考えてみると、すごく面白いなぁと思いまして。

人間に限った感情だな、と。

これ、映画にもよくあるんですけど、悲しいシーンにあえて明るい音楽を流すと、かえって悲しい雰囲気に拍車がかかるとか。

満面の笑みを浮かべているのに、かえって身を切られるほどの切なさが漂っちゃうとか。

目に見えているもの、耳に聴こえているものがすべてじゃなくて、その実、心は正反対であったり、受ける印象が正反対になったり……。

 

つくづく、人間ってあまのじゃく

笑顔なら素直に楽しくあれよッ、面倒くせぇな!! なんて、思っちゃうこともあるんだけど、こういうあまのじゃくな一面があるからこそ、物語が生まれるんだなぁとも思うワケです。

面白くて愛しいですね、人間って。

 

あ~~~~~っ、近いうちに「かえって〇〇」的な演出を使ってしまいそうだよぉ~~~~~っ、影響受けやすいタイプだから~~~~~っ!!

そんなシーンを見かけても、「あっ、こいつ!」とか思わないでね??(笑)

 

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毎日恒例の宣伝を挟みまして。

「かえって〇〇」演出を、もしかしたらすでに使ったような気がする、昨日配信開始の『そもそも恋は欲だらけ』第7話もよろしくお願いしますね!!

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私は今夜も、買ってからしばらく読んでなかった本を読み進めちゃいます!!

書籍も漫画も、読む人の心を豊かに、ワクワクさせてくれるものです。私の心が読書で潤うように、私の作品で、誰かの心が潤うことがあったらいいなぁと願います。

目に見えない栄養、いっぱい摂るぞ!!

でも、ねみぃ~~~~~っ(←寝不足:笑)

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