山口夢Official Blog

物書き(小説家・シナリオライター)の山口夢です。

脳内麻薬の作り方―川端康成の『雪国』始めました―

トンネルを抜けたら雪国であった。6月だけど。

 

昨晩から、川端康成著『雪国』を読み始めました。まだ途中。

いつも気軽に読める短編ばかりで、もしや『雪国』は未履修では……?? と、思い、例の有名な「トンネルを抜けたら雪国」を抜け、ちょっと先へ足を延ばしてみたところ、やはり読んだ覚えがない。

読書に関する記憶は基本さっぱりだから、もしかすると1度くらいは読んでるのかもしれないけど、それにしたって、こんだけ覚えてないなら読まにゃあいかんという次第。

結果、いつ夏が始まってもおかしくない6月の半ばに、頭は雪が降り始めた真冬の新潟へ──……無事、トンネルを抜けてたどり着くことができました。

 

まだほんの序盤だし、感想文は一旦おあずけ。

じゃあ、全部読んでからブログを書けばいいじゃないの、というご指摘はもっともなんだけど、これだけを言わせて欲しくってね。

川端先生の文章は美しいね震えるほど美しいね

読んでいて「悔しい」とか「羨ましい」という感情が一切沸き起こってこないほど、圧倒的に美しいんだよね。

なのに、読みやすい

比喩を多用すると、回りくどくなり過ぎて、一体全体何を言っているのか分からなくなることも多いけど、川端先生の文章は心にすとんと落ちてくる。

それだけ、一般ピープルの想像力と、比喩的表現にズレがないんだと思う。

赤いものを「赤い」と書かず、別の言葉で表現しているのに、読者が皆一様に同じ「赤」を想像できると言いますか。

すごい(※語彙力)

すごいを通り越して、もはや一種の恐怖すら覚える。

 

以前、川端先生の観察眼が怖いという話はブログに書きましたが、

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観察眼だけではなく、表現力も怖い。人物造形も怖い。全部怖い。(※落語「饅頭怖い」と同じ意味も含む:笑)

本当に、天才を前にして凡人は無力。

川端先生の1%でいいから、うなるような表現力を身につけたいと思う山口です。

 

とにかく、素晴らしい作品の刺激はすごいよ。(※再びの語彙力喪失)(表現力を身につけたい #とは)

昨晩は夜中の2時に布団へ入り、そのあと1時間ほど『雪国』を読んでおりましたが、さくさくさくさく読めてしまい、このまんまでは朝を迎えてしまうため、いったんはしおりを挟みました。

そこからの3時間、まあ眠れないこと眠れないこと。

昨日、変な時間にうとうとしてしまったのを差し引いても、脳があまりの興奮状態で冴えわたっている。

再び本を開いてしまうと、それこそ一睡もしないコースだから、輾転反側、とにかく目を閉じて、心を無に、頭をからっぽに……からっぽに……からっぽになんぞできるかーーーーい!! ということで、結果、

 

昨日、第5話が配信されましたよ、これから第11話のシナリオを書きますよ、とお伝えした『そも恋』なんですけど、

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第11話の構想どころか、第12話の構想までまるっと完成し、今すぐにでも執筆へ入れる状態に。これは来月も含めて超~~~楽な展開。

その他、企画書に起こそうと思っていた漫画のアイデア2本も、第1話ならシナリオに起こすことができるほど、アイデアが固まってしまいました。

 

こうなってくると、ますます眠れるワケもなくて、朝の6時半にもう1回『雪国』を開くという……(笑)

本日は、ようやく8時近くを迎え、とろとろと浅い眠りを楽しんだのみの2時間未満睡眠でお送りしております。ねっむい!!!!!

でも、一片の悔いなし!!!!!

……きっと麻薬って、摂取するとこんな気分なんでしょうね。こりゃ確かに手を出す人がいるのも分かりますが、私の場合は脳内麻薬が優秀過ぎて、法を犯してまで怪しいお薬を買い求める必要はないようでございます。

そこんとこだけは出来のいい脳みそに、ありがたやありがたや。

……いや、お礼を述べるなら素晴らしい刺激をくださった川端先生の小説に、か。

 

ほんと、脳内麻薬は読書に限る(※落語「目黒のさんま」の語り口で:笑)

 

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毎日恒例の宣伝を挟みまして。

ところで、私は川端先生の作品を読むにつけ、ほのかな女性成分を感じずにはおれないのだけど、皆さんはどうなんだろうか。

同じ女性でも、私がたびたび話題に出す谷崎先生の描く女性は、「あくまでも男性目線から見た、(少々偏ってはいるけれど)理想の女性」で、川端先生の描く女性は「女性も『分かる』とうなずかざるを得ない女性らしい女性」……的な??

批判を受ける覚悟で、もうちょっと分かりやすく言ってしまうと、

谷崎作品の女性は「男性向け萌えアニメのヒロイン」で、川端作品の女性は「女性向け漫画のヒロイン」って感じがする。

男性向けのアニメでよくあるじゃん?? 主人公の少年が、気が強くて変わり者のヒロインに振り回されるような超展開。谷崎作品はそういう傾向。

これが女性向けの恋愛漫画になると、主人公はもうちょっと大人しいんだけど、こう……心の奥深くに本音を隠していて、それをふとした拍子にポロッと静かに表へ出す、みたいな。

女性向け漫画のなかでも、少女漫画じゃないね。実話寄りのリアリティがある漫画だね??

 

この話、どっちがどうでいいとか悪いではなく、目指す作品の方向性がそもそも違うっていう結論で……だって、川端先生も谷崎先生も、どっちも好きだし。

本当に、発想の段階からベクトルが違う。

私もいろんな作品に携わってきたけれど、男性向けと女性向けって、キャラ設定、物語の運び方、魅せ方、すべてにおいて別物なんだよね、っていうのは、また今度。別の機会に。

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