山口夢Official Blog

物書き(小説家・シナリオライター)の山口夢です。

「最低」がこだまする美術展―東京都美術館・クリムト展―

先に言っておくと、展示されていた作品自体は大変素晴らしかったんですよ。

じゃあ、何が「最低」だったかっていう話なんですけど。

 

とりあえず、時間は一昨日までさかのぼって、上野鈴本演芸場の夜席に行ったことは、昨日のブログにも書いたじゃないですか。

blog.yumeyamaguchi.com

……でね??

せっかく上野まで足を運ぶんだし、約束は夕方から。この条件で、美術展のひとつも訪れないなんて言うのは、曲がりなりにも学芸員資格保持者の私といたしましては、あり得ないことなんですよ。

いろんなものを吸収できる時にしておきたい、っていうか。

 

さらに、でね??

国立西洋美術館は現在、企画展がお休み中で、常設展のみ。常設も好きなんだけど、もう何回も行ってるし、いずれ企画展を訪れた折には見て回ることは分かりきってる。

東京国立博物館および国立科学博物館は、ちょろっと行ってサラッと見るには完全に不向きな展示数。どうせ行くなら朝も早よから気合いを入れ、丸1日かけてガッツリ堪能したいんですよ。

 

結果、東京都美術館で開催されているクリムト展―ウィーンと日本1900―」へ。

 

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混んでたね、日曜だったしね。

おまけに、期間限定で学生は無料、音声ガイドが稲垣吾郎さんっていうね、もう「あ~~~~、そりゃ混むわ~~~」っていう条件が揃い過ぎちゃってる。

その割には20分待ちということで、そのくらいなら幼い頃よりゴッホ展に3時間並び(※母親に並ばされ)、つい最近も鳥獣戯画展に3時間以上並んだ私としては余裕余裕。

空いた時間に読む本も持ってるし、鈴本の夜席に間に合うならいいんですよ……ってなワケで、行列へ並ぶことにしました。

 

今回の「クリムト展」は、1900年代前後にウィーンで活躍した画家グスタフ・クリムトの作品を中心に、同時代のウィーンの画家、また、クリムトの人生を写真や資料で紹介する構成となっております。

この、「人生を振り返る」ところが少々アレでね。

期間限定で学生さんが無料だったせいか、20歳そこそこの若い女性の2人連れがあちらこちらにいて、ほとんどが美大生かなぁ?? 絵を見ながら、専門的なことについて意見を交わしてるんですよ。

非常にアカデミック。

ところが、クリムトの人生を紹介するコーナーに差し掛かった時、解説のボードに、

 

クリムトは生涯結婚しなかったが、14人の子どもがいた」

 

……的なことが書いてあって、それを読んだうら若き女性の2人組が、口々に

「最低」

って(笑)

いやいや、まあまあね、現代日本の感覚に照らし合わせると最低かもしれませんが、当時のウィーンでは婚外子も当たり前かもしれないよ??

……と、なぜか心のなかでクリムト氏をフォローする私(笑)

 

でもね、そこからちょっと先へ行った場所に展示されている写真のコーナーがよくなかった。

 

クリムトがもっとも慕ったのは、弟の妻であった」

 

「最低」

だよねぇ~~~~~っ、これはちょっとフォローしづらいですわ、弟の気持ちを考えると!! まあ、弟はわりに早く死んじゃうんだけど……えっ、ストレスかな……なんて、邪推をしてしまう。

これに加えて、

 

クリムトとエミーリエ(※弟の妻)とはプラトニックな関係とされていたが、近年発見された手紙により、深い関係だということが明らかになった」

 

「最低」

分かる。

そして、展示される実際の手紙。しかも、ハートマークとか描かれてるヤツ。

これは恥ずかしい。死して100年経ったのちに、弟の嫁と交わしたラブレターが発見されるなんて、まさに地獄。クリムトさん、あの世で息してる??(笑)

今ならさしずめ、死んだあとに愛人との浮かれたLINEのやり取りがバラまかれるようなもんでしょう?? 死にたくなるね、死んでるんだけど(笑)

クリムトさんのような有名画家に限らず、私を含めた一般の皆さんにおかれましても、デジタル遺品を残さないように死んでいきましょうね!!!!

今の時代、子孫が面白がってTwitterなんかにアップしちゃうかもしれないから!! 死してなお死にたくなるような気持ちにならないためにも、復元できないレベルで粉々にして死にましょうね!!!!

ほんと~~~~に、滅多なものを残すもんじゃないなと思いましたとさ(笑)

 

もう1度言っておくと、展示されている作品は素晴らしいです。

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1番手前の絵葉書が、弟の妻・エミーリエが17歳の時の肖像。

写真で見たエミーリエは中年の姿だったことを差し引いても、クリムトさん、ちょっと盛って美しく描いていらっしゃるような気がしちゃう(笑)

額縁の絵もクリムト自身が手掛けてるっていうんだから、愛だねぇ……2人の関係性のごにょごにょ……はどうあれ。

 

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毎日恒例の宣伝を挟みまして。

私自身は、「芸」のつく芸術家や芸事を生業にしてる人たちの貞操観念なんて、吹けば飛ぶようなものだと思ってるから、別に不倫をしようが弟の嫁をどうしようが、まあ好きにやったらいいんじゃないかな?? っていう考え方なんだけど、フォローはしづらいよね(笑)

ちなみに、14人いるクリムトの子どものうち、最初の子どもと、別の女性に産ませた2番目の子どもは、どちらも「グスタフ」って言うんだって。父親であるクリムトさんのお名前ね??

私のうしろに立っていた女性の2人組が、

「ヤバい恨みを感じる」

って言ってたよ(笑)

まあ、アメリカなんかだと、父親の名前を取って「○○Jr.」みたいな命名をすることもあるし、現代日本人の物差しで決めつけるのもどうかなぁとは思うけど、案外、本当にヤバい恨みがこもっていたりして、ね。

知るのは本人ばかりなり。

www.yumeyamaguchi.com