彼氏に聞かれたんですよ、風呂入ってる時に。
どんだけ色気のない会話してんだ、って話はこの際置いといて(笑)
私は「あると思う」と即答しました。
すぐに「なんで?」という質問が飛んできたのですが、その時、私は、
「あの世がなきゃ夢がないから」
と、またしても即答したんです。
当時付き合っていた彼氏、首かしげちゃって(笑)
それ「どういう意味?」って聞くんですよ。「いろんな人に同じ質問したことあるけど、そんな答え返ってきたの初めて」だって。
「夢がないから」と答えた理由をかいつまんで説明しますと、
人間だれしも、最初は生まれてきたくて生まれたんじゃなくて、気づいたら生まれてるワケじゃないですか。
で、生まれたら最後、立ち止まることなく生きていかなきゃいけなくて、時に楽しく、時につらく、まあいろいろあるけれど、頑張って生きていこうとするんですよ。
なのに、下手したら急に死ぬ。
病気でも事故でも事件でも、人間は急に死ぬことがあるんです。
たとえば、あとで私がゴミ捨てに行こうとした時、階段から転げ落ちて死ぬかもしれないし、アパートの前で不審者に刺されて死ぬかもしれないし、さっき食べた刺身にアタって死ぬかもしれない。
今書いたことは極端な例だけど、人は結局死ぬ。必ず死ぬ。
生まれてきたくて生まれたんじゃなくて、それでも生きていくうちに人生の楽しさをまあまあ知って、生まれてきてよかったと思って、それなのに死んじゃったら「はい、しゅーーーーりょーーーー」で、意識も何もかもなくなって真っ暗になるの、
はっきり言って、あんまりじゃない!? って思うワケ。
ひどいじゃん、勝手に生を受けさせといて、その生を理不尽に奪ってくの。
無理やり結構な額の金を握らされて、成り行きでそこそこ使ったあとに、急に「全額耳揃えて返せ」と、借金取りが現れて、家から家財道具から身ぐるみ剥いでいかれたら「理不尽だな!?」って思うでしょ???
神様、借金取りの才能があり過ぎるよ。
今にも死にたい人がいたら、死んだあとにまたあの世があるなんて、それこそ夢がないのかもしれないけど、たいていの人にとっては、急に人生終了させられてそれっきりなんて、あまりに残酷で夢がないと思うんだ。
神様を借金取りにしないためにも(笑)、私はあの世の存在を信じていたい。
9.11にしろ3.11にしろ、ここ数日多い車の事故にしても、みんな当たり前のように「明日」があると思っていて、その未来を奪われ、未来を奪われたことにも気づかず、そこですべてが終わりなんて、本当に本当にあんまりだから。
きっとあの世はある、はず。
……なんでそんな話を急にしたのかというと、今とある本を読んでいて、
それがこちら、『恐怖の博物誌』イーフー・トゥアン著、金利光訳(工作舎、1991年)。
「人は一体何を恐れるのか」「何故恐れるのか」等、「恐怖」にスポットライトを当てた書籍です。
5年くらい前に古本屋で購入し、冒頭で3回ほど挫折して(笑)、今回ようやく中盤まで来たのですが、これ冒頭を抜けたらかなり面白い。過去3回の私には、もうちょっと頑張って欲しかった(笑)
とにかく、この本を読んでいると、人はやはり病むこと、老いることが怖くて、その恐怖を和らげるために、神を生み出し、悪を生み出した、ということなんですね。
毎晩、毎晩、「死とは何か」「恐怖とは何か」を考えながら眠りに落ちていたせいか、もう何年も前に別れた彼氏から聞かれたことを思い出したんです。
で、書いてみた、と。
どうでもいいけど、もんのすごい夢見の悪そうな本のチョイスだよね(笑)
恒例の宣伝を挟んで、今日はここまで!!
『恐怖の博物誌』については、ちゃんと読み終わったらまたブログを書きたいと思います。
いや、冒頭を抜けたら本当にこの本面白いのよ!! どんだけ冒頭がダメなんだ、って話になりそうだけど、決してそうではなく(笑)
第3章くらいで、ようやくこの本が「一体何を言いたいのか」分かってくる的な。本と向き合う姿勢が決まって、とても面白くなってきました。
今夜も仕事を終えたら、夢見の悪いベッドタイムの始まりです。