山口夢Official Blog

物書き(小説家・シナリオライター)の山口夢です。

【執筆のデスクから】料理と執筆は似ているし、就活で随分と役に立った話

昨日、料理と執筆の関係性について書きましたが、

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えっへへ、今日も作っちゃった。

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アジフライはお惣菜ですが、タルタルソースはお手製です。

柴漬けとシソを刻んで入れた「和タルタル」。いつもはラッキョウで作るんだけど、今回は余っていた柴漬けで初挑戦。

ラッキョウだと甘めのタルタルに、柴漬けだと酸味強めのタルタルになります。

これはこれでアリ。っていうか、超美味しかった。相変わらず、私は私の味覚に合わせて料理を作る天才ですね。

ちなみに、柴漬けを買った理由はこちらからどうぞ。

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で、昨日は「料理が執筆の役に立つ」という話を書いたんですけど、そもそも料理と執筆って似てるんですよね。

ゴール(完成した料理/物語の結末)に向かって、可能な限り効率のよい方法(調理手順/構成)で、集めた材料(食材/アイデア)をいかに美味しく、面白くできるか組み合わせ、手を尽くすこと……だと思うんですよ、どっちも。

逆算の作業っていうか。

作りたいものの完成形がすでに見えていて、そこからさかのぼりさかのぼり、最初の1手を考える、という。

「和タルタル」なら、ゆで卵を作るためのお湯を沸かすし、シナリオなら始まりのセリフを書くんです。ゴールを想定して、そこからさかのぼって。

 

んでね、もう10年も前になるんですが、私も就職活動をしていたことがあって、とあるテレビ制作会社の1次試験で、面白い面接があったんですよ。

面接の10分前に5人の就活生が1室に集められて、そこには20枚くらいの写真が置かれていたんですね。

そして、「この中から写真を1枚選び、それを使って1分間の自己紹介を考えて、面接で披露してください」と。

考える時間は、もちろん10分。

本当にいろんな写真がありました。とても具体的な景色や動物の写真から、なんなのかよく分からない抽象的なものもあったかな。

 

私は、その中の「人の背中にスプーンとフォークの絵が描かれている」という、見方によってはどんな意味にも取れるような写真を選んだんですよ。

 

お題は自己紹介。そして、1分はかなり短い。

落語研究会に所属して、常日頃から時間を考えながら喋ることがクセになっていた私は、1分の短さを体感で分かっていたんですね。

当時から、映画やドラマの時間を計りながら観るのもクセになってたしね。

そこからはもう、執筆と同じくゴールを決めて逆算です。

最終目標は、自分を会社にアピールすること。

自己紹介として伝えたいあれこれ(大学の専攻や趣味)を材料にして、1分間のなかに効率よく順序立てて話題を収める。味つけは写真のモチーフ。

 

結果、「私の趣味は料理です。料理は身体の栄養になりますが、映画やテレビは心の栄養になります」から始まり、

「映画の脚本を学んでいること」

「脚本と料理は似ていて、作るのには時間が掛かるけど、観る/食べるのは、ほとんど一瞬であること」

「でも、受け手の喜ぶ顔が見たくて、手間を惜しまず脚本や料理を作ること」

「テレビもきっと一緒なこと」

「画面の向こうにいる視聴者の喜ぶ顔を想像して、面白い番組を作りたいこと」

……を、簡潔にまとめて、ぴったり1分で喋り倒しました。

 

いやまあ、この時ばかりは「勝ったな」と思ったよね。全員の自己紹介が終わったあと、面接官の質問が私に一斉集中したからね。

人生でこんなにも「勝った」と思ったことは、あとにも先にも1度きりですよ。あんなん、たぶんもう一生ない。

ま、それもそのはず。一緒に面接を受けた就活生のなかには「この写真を何故選んだのか」、その理由から話し始めて、あっという間に1分経っちゃう人もいたんです。

求められている答えはそこじゃないし、本当に本当に1分って短い。

 

ありがとう、落研

素晴らしい時間的感覚を身につけられた。

ありがとう、執筆と料理。

物事を常に逆算して組み立てるクセがついた。

 

……あっ、落語研究会を舞台にして書いた『せんおち』って作品もあります。よかったら買ってね??

multimaker.jp

 

私は10年前のあの頃から基本的に変わっていません。

受け手の喜ぶ顔が見たいから、作品を書いてる。

こまごました作業をコツコツと積み上げて、少しでも面白いものを作ろうと思っています。

ちなみに、今日の私はこんな感じ。

時間かかるねぇ。でも、私も楽しい。

 

残念ながら、料理はもうほとんど自分のためにしか作ってないんだけど(笑)

まあそれも、送り手の私が受け手の私を喜ばせているのには変わりないってことで。

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お題「今日の出来事」