なんかこう……「ああああああッ」と、天から降ってわいたような1番最初のアイデアが、1番素晴らしいアイデアのような気がしてるんですよ。経験上。
これまで、なんやかんやちょこちょこ通してきた企画って、もちろん1本で勝負しているワケではなく、いくつかまとめて提出したなかの1本、みたいなことが結構あるんですけど、そういった場合、往々にして、1番最初にパッとひらめいたアイデアが、結局通ることになるんです。
たとえば、現在連載中の漫画『そもそも恋は欲だらけ』のタイトルね??
(毎日のように『そも恋』の話をして申し訳ありませんが、今メインでやってる仕事が、これかゲームなもんで。察していただけると幸いです)(なお、『そも恋』が読める配信サイトの一部はこちらから)
これ、最初は仮のタイトルとして、別のものをつけていたんですね。
しかし、それでは漫画としてイマイチだということを編集部のほうからご指摘いただきまして。(※『そも恋』の原案は、もともと小説用にストックしておいたもの)
もうちょっと漫画らしいキャッチ―なタイトルにしたいということでした。
担当編集さんもタイトル案を出してくださって、「ほかに何かアイデアがあれば」と投げられ、こういった作業は文字を専門とする私の役目なので、私が候補を出す方向で決まりました。
結論を先に言ってしまえば、『そもそも恋は欲だらけ』は、1番最初に思いついたタイトルです。
約50個ほどタイトル案を出しまして、あとは編集部にすべてを委ねたところ、『そもそも恋は欲だらけ』がいいだろう、と。
じゃあ、残り約49個を考えてる時間無駄だったよねぇ~なんて、思わなくもないんだけど、決定した『そも恋』を引き立たせるための49個だと考えれば(笑)
2番手3番手にも、かな~り気に入っていたものがあるんですよ??
いくつかの項目に分類して、たとえば『そも恋』は「欲望系」のカテゴリーに属していたのですが、「下心系」のカテゴリーには、
『恋は結局下心』
……な~んてものがあって、決して悪くはないと思う。音読した時のテンポもいい。
「条件至上主義系」のカテゴリーにも、
『超条件至上主義恋愛』
と、あえて漢字で攻めたものがあったり。
表紙にオール漢字でガッと書いた時、見映えがよさそうだと思ったんですよ。嫌いじゃない。
ほかにも、
『愛とか恋とか(笑)』
『金とカラダに恋してる』
『クズと呼ぶにはピュア過ぎる』
……とか。悪くはない。悪くはないんだけど~~~~~……
やっぱり『そもそも恋は欲だらけ』が1番いいよね!?
決まってしまうと「これしかない!!」って思うわ。
考えてる時は、「1番最初に思いついたヤツよりも、これのほうがいいのでは……?」と迷うこともあるし、「いや、もっともっといいものが出るはず!!」と気張ることもあるけど、決まってしまうと、もうこれしかないですね。
いいタイトルです(自画自賛)
ちなみに、約50タイトルを候補に出したといっても、類似するものがいくつもあって、同じ『そも恋』でも『そもそも恋は欲まみれ』という案もありました。
「まみれ」もいいな、って思いますけどね。やっぱり「だらけ」のほうがしっくりきますね。
さらにちなみに、これまで書いたタイトルはマシなほうで、なかには何かをパクッたような『欲のむきだし』とか『下心100%』とか『金くれガールとヤリたいボーイ』とか、絶対に通らねぇだろっていうものもあります(笑)
逆に大きな字で書くけど、『ATM募集中』って、もはや通す気ある!?
最後のほうになると、ひねり出した感がすごいですね(笑)
そう考えると、やっぱりまず最初の、無理くりひねり出したワケでもない、フラットな状態で思いついたアイデアの一番出汁が、もっとも美味しいような気がします。
小説『せんおち』も、まず最初に思いついたタイトルでした。
(ドラマCD&ノベライズ『せんおち―千早大学落語研究会物語―』については、こちらから)
これからも、美味しい一番出汁を抽出していきたいと思います!! えいえいお~!!
『そも恋』も『せんおち』もよろしくね!!!