大学の落語研究会を舞台にしたドラマCDとノベライズ本『せんおち』を書いたせいか、
友人・知人から「寄席に行ってみたいんだけど、連れてって」と言われることが多いのです。慣れているこちらからしてみれば、「連れて行く」も何も、チケット買って入るだけの話なんですが(笑)
「落語=伝統芸能」という図式が格式高く感じさせるのか、なかなか行く勇気が出ないようなんです。
昨日も、最近仲良くなった作家さんに頼まれて、上野・鈴本演芸場の正月二之席に行って参りました。
いやぁ~、笑った笑った。とっても楽しかったです。
一緒に行った方も大変満足してくださって、私もホッと致しました。
そこはやっぱり、連れて行く方の初めてをいただくワケですから(意味深な表現)、なるべく楽しんでもらいたいな、と思うのが人情というもの。
まあ、行ってみて「こりゃ今日はハズレだわ! ひとっつも面白くなかった!!」なんて寄席は、これまでに出会ったことがありませんけれども。本当に、つまんない寄席なんてないですからね!?
なので、皆さんにも行って欲しいと思うワケです。
さて、今日は「寄席に行ってみたいけど、いまいち勇気が出ない」という方に向けて、山口的「寄席の行き方・楽しみ方」をご紹介致します。
あくまでも個人的な意見です、あしからず。寄席へ行くようになって早14年ですが、足を運んだ数はたいして多くないからね。
すごい人は、1年365日ほぼ毎日行ってますから。私なんて、足元にも及びませんよ。
ま、なんとな~く読んでください。誰かひとりでも、「寄席って面白そうだな」と思っていただければ成功です。
①とりあえず定席のHPをチェックしよう
365日休みなしで営業している寄席を「定席(じょうせき)」と言って、東京には4軒あります。
浅草演芸ホール、池袋演芸場、上野鈴本演芸場、新宿末広亭ですね。
これらの定席は毎月10日ごとにプログラム(=番組)が変わり、1日~10日を上席、11日~20日を中席、21日~月末を下席と言います。
噺家さんの都合によっては代演になることもままありますが、基本的には10日間、同じ出演者が同じ順番で出演すると思ってください。
各定席のHPを見ると、2ヶ月先くらいまで番組が掲載されています。まずは、どこのどの番組を観に行こうか、検討してみましょう。
「そんなこと言われても、どれを観に行ったらいいか分かんないよ!!」
という方も、もちろんいらっしゃるでしょう。
私は、寄席初体験の人を連れて行く場合、「あ、笑点で観たことある!」という噺家さんが出演する番組を選ぶことが多いです。やっぱり「知っている人を生で観られる」だけで、ちょっとした話のネタにはなりますからね。
漫才師コンビ・ナイツさんなんかも、頻繁に寄席へ出演されています。あのナイツの漫才が生で観られるんですよ、これはいい思い出になるはずです。
寄席に1回行ってみて、「この噺家さん面白かったな」「この芸人さん好きだな」と思ったら、今度はその人目当てに再度寄席へ足を運んでみましょう。
当然プログラムは変わっていますから、また新たな噺家さんと出会えるという寸法です。そうして、お気に入りの噺家さんを増やしていけば、寄席に行くことや、番組を吟味する楽しみも増えるワケですよ。
まずは1回。話のタネに有名人を生で観てみるか~くらいの感覚でもOKなので、行ってみることをオススメします。
②お菓子やお弁当を買って行こう
寄席は飲食自由です。しかも、持ち込み可。
もちろん会場内で買うこともできますが、自分の好きなお菓子、好きなお弁当をあらかじめ買って行って、好きなもの尽くしを楽しみながら落語や漫才を観て笑う……なんて、最高に贅沢な時間じゃないですか!!
お正月にだらだらお笑い番組を観てるような感覚ですよ。
ちなみに昨日は、上野駅で駅弁を買って持っていきました。いいね、上野駅。新幹線が停まる駅は、駅弁が買えるんだね。
新宿や池袋の場合は、いつもデパ地下に寄ってます。デパ地下もいいよね。
おまけに、鈴本演芸場はアルコールも可。
昨日は最終的に、会場内の自販機でビール買って飲みましたから(笑)もう完全にお正月じゃん。
寄席って、年がら年中お正月気分を味わえるんですよ。いやもう最高じゃん。最高 of 最高だよ。
③いっぱい笑おう!!
最後はアドバイスがざっくりになることでお馴染みの私のブログ(笑)
まあまあ、でもさ、せっかく落語を観に行くんだもん、笑わなきゃ損なワケですよ!!
落語は「伝統芸能」だから、きっと難しくて自分には理解ができないんじゃないかと思ってる人も多いのですが、そんなこたぁーない。
そもそも落語は庶民の娯楽です。そして、噺家さんは笑いのプロです。
古典落語にも時事ネタや独自のくすぐり(=簡単に言えば、笑いどころ、笑わせどころ、のようなもの)をふんだんに盛り込み、初心者でも笑えるようにしてくれています。
噺家さんにどーーーんと身を任せ、安心して笑いに行ってください。
なかにはちょっと難しい単語が登場する落語もあるにはあるんですけど、そのあたりは、まあおいおい。聞き慣れてくると、そのうち理解できて面白くなってくるもんです。
どんな趣味も、最初はそんな感じでしょ。これは伝統芸能どうこうじゃない。慣れです、慣れ。
さらに、寄席は落語ばかりではありません。
漫才、漫談、講談、マジック、曲芸、紙切り、コマ回し……「色物」と呼ばれる芸も観ることができます。これがまた面白いんだ。
「落語」は難しいような気がしても、「マジック」ならふつーに観たことあるでしょう??
色物を楽しみに寄席へ足を運ぶのも、またひとつの選択肢だと、私は思っています。
……さて、いかがでしょうか?? 寄席、行ってみたくなりませんか??
3000円以下で、最低でも4時間、最長で9時間も楽しめるんですよ。コスパも最高!!
ぜひ、東京に4箇所 ある定席へ足を運んでみてください。
きっと新しい世界が開けます。