山口夢Official Blog

物書き(小説家・シナリオライター)の山口夢です。

【物書きの本棚】愛してやまない金田一耕助先生の話②

今週のお題「読書の秋」

お題「好きな作家」

昨日に引き続き、山口的理想の男性ランキングぶっちぎり1位の金田一耕助先生について、さらに詳しく語っていきたいと思います。

金田一耕助シリーズの魅力を語っただけで終わってしまった前回の記事はこちら↓↓

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今回は小説の文章を引用しながら「ここ素敵」「超可愛い」「ヤバい」(語彙力を失うオタク)をどんどん勝手に書き連ねます。それでは、レッツゴー。

まず、耕助さん(安定の彼女気取り)の基本的外見や特徴から。

年ごろ三十五、六、もじゃもじゃ頭の、風采のあがらぬ小柄の人物で、よれよれのセルに、よれよれの袴といういでたち。口を利くと、少し吃(ども)るくせがある。【中略】

昂奮するとこの男、吃りがいよいよはげしくなるうえに、むやみやたらと、もじゃもじゃ頭をかきまわすくせがある。あんまり上品なくせではない。

────『犬神家の一族 

 はい、可愛い。(早い)

これにお釜帽+冬は二重回しを羽織るのが先生のスタイルですね。

金田一耕助シリーズは作家のS.Y先生(横溝正史先生)が、金田一耕助から聞いた事件の話を小説に書き起こしている、という形式を取ったストーリー運びとなっていますが、たまに事件の関係者目線(手記)で進む作品もありまして。

三者目線になると、金田一耕助の描写がもうちょっと辛辣になります(笑)

言下に外からドアをひらいて、にこにこ顔をのぞかせたのは、このホテルにふさわしからぬ奇妙な人物である。よれよれのセルのひとえにセルの袴、それにこれまたよれよれのセルの羽織をきて、頭といったら雀の巣のようなもじゃもじゃ頭、小柄で貧相な男だった。

────『三つ首塔』 

良家のお嬢様目線で進む『三つ首塔』は、だいぶ後半まで金田一耕助を敵視しているため、通常が「この男」呼ばわりだし、「あの小憎らしいもじゃもじゃ頭の金田一耕助」等、言いたい放題のボロクソです。嫌いじゃない。

そして、耕助さん自体、自分の貧相な体を気にしているようで、若くて立派な体格の男性と旅館の風呂場で鉢合わせると、

この素晴らしい肉体をまえにして、金田一耕助は着物をぬぐのがためらわれた。自分の貧弱な肉体をさらして、相手の憫笑(びんしょう)をかうにしのびなかった。そこで帯をとくのを躊躇していると【後略】

 ────『女王蜂』

 かっ、可愛~~~ッ!!!

コンプレックスを自覚していて恥じ入っちゃう系男子可愛い~!! だって、警察も絶大な信頼を置く名探偵・金田一耕助ですよ!? 「金田一耕助でござーい」くらいの自信を持てばいいじゃないですか! 貧弱な肉体くらい何です!?(そこも可愛いのに!)

……でも、偉ぶらないのが耕助さんなんですよ。だからこそ、事件の関係者も気を許して耕助さんには証言をするというもので……。

金田一耕助は魔術師だった。山川警部補や志村刑事のまえでは絶対にしゃべろうとしなかったことを、金田一耕助はいとも造作なくナツ子から引き出してしまった。

────『悪魔の百唇譜』 

人たらし最っ高……!!!!!(はぁぁぁ、たらされたい)

おまけに、これでかなりユーモアもあるんですよ、耕助さんは。

 「あの時分からみるとぼくは相当変わったつもりです。これでも成長したつもりなんですよ。ところが金田一先生ときたら、八年まえとちっとも変わっていらっしゃらない」

「無精もんですからね。人並みに年をとるのもおっくうなんですよ」

────『夜の黒豹』

何その無精もんジョーク。私も今後積極的に使っていきたい。(問題は、8年もの長きに渡りいかにして外見の若さを保つか)

また、金欠で困っている時に現れた(大金持ちの)依頼人に対し、面と向かって、

「じつはさっきあなたからお電話をちょうだいしたとき、わたしは築地署へ出向こうとしていたんです。ところが嚢中(のうちゅう)を調べてみると……いや、調べるまでもなくカラッケツなんです。電車賃もない。そこで恥をしのんで管理人のおかみさんから三千円借用におよんだ。と、そこへあなたからのお電話です。しめたッ! と思いましたね。いいカモが飛び込んでくるぞォとね」

────『扉の影の女』

 本人に向かって「カモ」とか言っちゃう度胸も好き~~~ッ!!!

これには超大物とされる依頼人も大笑いで、あっという間に先生へ心を開きます。かあ~~~ッ、見事な人心掌握術!!! これは惚れざるを得ない!!!

この『扉の影の女』、作品のあらすじにも「金田一耕助の日常生活を浮き彫りにした異色作」とあるように、ザ・30代独身ずぼら男子の日常って感じのエピソードがてんこもりなんです。金田一先生に興味を持ち始めた人はぜひ購入してみてね!)

たとえば、

金田一耕助はしばしばおケラになる場合がある。

ときたまどかっと金が入っても、この男は貯金ということをしらないらしい。金があるとうまいものを食べてまわったり、ひとりでふらりと旅行をしてまわったり、またアパートの管理人夫婦にごうせいな贈物をしてみたり、そして、金がなくなるとたばこ銭にも困るような窮地におちいることが珍しくない。

────『扉の影の女』 

根無し草的生き方って母性本能をくすぐられるよね……なんかもう「支えてあげたい」って思っちゃう悪いクセ……お財布の紐を適度に握ってあげたいような、すべて彼の自由にさせておケラになったらサッと追加でたばこ銭をお渡ししたいような……とにかくお世話したさがすごい。

お世話をしたいんだ、私は!!

 それから朝昼兼帯の食膳に向かったが、彼の食事はいたって粗樸(そぼく)なものである。

たっぷりバターを塗ったトーストがふたきれに、牛乳が一本、ほかにも罐づめもののアスパラガスに、ウィンナー・ソーセージ。気の落ち着いているときは、じぶんで野菜サラダをつくるのだが、きょうはなんとなくソワソワしているので、りんごをかじることでまにあわせた。

────『扉の影の女』

 ……意外とちゃんと食べてるね!? お世話させてよ! って思っちゃうけど、野菜サラダを省いちゃうあたりたまんねぇな、と。ってか、自分でパンとかりんごを買いに行ってるんだよね? あんなに生活感のない人が? あの格好で八百屋に? 好き。(結局)

ちなみに、『悪魔の百唇譜』でも朝食をみずから作っていますが、こちらはもう少しひどい有様で、

台所へかえって冷蔵庫をひらくと、ハムもあったが切るのがめんどうなので、アスパラガスのかんづめをとりだした。

けっきょく、その朝の金田一耕助の献立はつぎのとおりみじめなものになってしまった。

真っ黒焦げのトースト二枚、

みごとに煮えかたまった卵二個、

アスパラガスのかんづめ半分。

牛乳一本。

────『悪魔の百唇譜』 

この朝食を完食したあと、「山海の珍味をたらふくたいらげたような顔」をして仕事に向かうのがミソです。

大金が入ったら美味いものを食べて回るクセに、真っ黒焦げのトーストでも満足しちゃう適当なところほんとダメ(褒めてる)。 

はあ~~~、ずぼら。独身30代男子~~~~。

 

……まあねぇ、こんだけ萌えておいてなんですけど、耕助さんにもお世話してくれる人(私)がいればみんな安心なんですよ。

しかし、相棒の等々力警部と、部下の新井刑事がこんなことを言っていて────

「なぜ結婚しようとしないんでしょうねえ」

「おれもそれを思うこともあるが、さりとてあの人に奥さんがあって、子供ができて……なんてことを考えると、考えただけでも滑稽なような気もするんだ」

「やっぱり一種の天才なんですね」

────『扉の影の女』 

 分かる。耕助さんに奥さんとか子どもとか、ほんとに滑稽。(分かってるけど、なんとか私と結婚してくれないもんか。私32で、耕助さんが35前後……ほら、年の頃もちょうどいい……でも耕助さん奥手だからなぁ~~~!! 私から行くしかry)

 

……と、妄想が気持ち悪くなってきたところで、今日は終わりにしましょう。今回も3000字を突破してしまいました。

それでもまだまだ語り切れていないので、残りはまた次の機会に。

どうです? 金田一耕助可愛いなぁ~って思いません? 思いましたよね???(圧)

私の理想の男性、めちゃくちゃ可愛いんですよ。可愛いんです。

今日はオタク的視点のまま終了します! 以上!!!

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